2024年の暮れに、イギリスの名門ジャガーがブランドロゴを変更しました。新ブランドロゴは大文字から、小文字で丸みを帯びたワードマークになり(画像①)、象徴である飛び出すジャガーの立体エンブレムも、なくなりはしないものの、全体ブランドの一部にすぎなくなってしまいました(画像②)。他にもモノグラムロゴなどもあり、全体コンセプトとして「デバイス・マーク(Device Mark)」、「ストライクスルー(Strikethrough)」、「活気あふれる豊かな色彩(Exuberant Colors)」、「メーカーズ・マーク(Makers Marks)」と4つものシンボルを新たに作成しました。
メルセデスやロールスと同じく、このような飛び出たエンブレムは安全基準の観点から制約が多くなってきた昨今の事情もあるとはいえ、ここまで変えるのには勇気の要る決断だったと思います。ジャガーのCEOは今回の変化を「完全なリセット」と表現し、「今回は目を見張るようなことをするつもりだ」と言っています。
が、はてさてこの発表に市場の評判は、と言えば、あまり芳しいものではないようです。ジャガー自身は、「かつてジャガーが愛された価値観に立ち返りつつ、現代のユーザーにも受け入れられるものにした」と言っていますが、ジャガーのFacebookアカウントは発表直後から炎上しているようで、「ブランドの終焉」「ださい」「化粧品みたい」などネガティブ意見が8割を占めているとのこと。
VI(ビジュアル・アイデンティティ)の経験のある佐々木店長から観ると、正直個性に欠ける気がします。VIロゴ開発において、ワードマークを小文字で表現するのは、親しみやすさを演出することが多いのですが、このブランドに関して言えば、親しみやすさより英国らしい凜とした佇まいの方が合う気がします。その意味でも、(あくまでも個人的な意見ですが)大文字で表現している旧ロゴの方が貫禄において勝っているように見えます。
もちろん肝心なのは車自体ですし、これから出る商品と合わせて判断するべきで、この時点で云々言いすぎるのは時期尚早でしょう。しかし、以前このブログで紹介した“1週間で旧ロゴに戻した2010年のGAPブランドロゴ変更事件”の二の舞にならないように祈るばかりです(笑)。
(画像はジャガーサイトから)
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