昭和生まれシニアデザイナーのデザイン事務所
よろずデザイン処 佐々木商店
MAIL: info@sasakishop.com

【美術芸術】漫画「男おいどん」について

産経新聞の文化欄に「読者が選んだ昭和の〜」というテーマの特集があって、スポーツ選手や俳優など昭和のランキングを掲載しているコーナーがあります。その中の「昭和の漫画」ランキングの1つに、アニメや実写映画などになっていない未映像化作品ランキングがあって、これが結構面白いんですね(画像①)。みなさん、いくつご存じですか?

記事では未映像の理由にも触れていますが、ほとんどは、昭和過ぎて時代背景が現代に合わなかったり、1位の「カムイ伝」のように、現在だと社会的コンプライアンスに觝触しそうな内容などが主な理由のようです。2位の「あぶさん」は、登場人物に今でも実在の選手が出てきますから、これは肖像権の問題かもしれません。

前置きが長くなりましたが、佐々木店長はこの中の8位に輝く「男おいどん」に特別の思い入れがあります。宇宙戦艦ヤマトの作者、松本零士氏が1971年から少年マガジンに連載した出世作です(画像②)。何をやってもドジでダメな主人公、大山昇太が古びた下宿の四畳半を拠点に、一生懸命バイトをしながら、ヤマトの森雪似の女性たちに惚れては振られ、下宿で涙を流しながら、それでも明日を夢見て眠りにつく、というお決まりのカットで毎回が終わります(画像③)。最終話は、大家のおばさんに心配をかけないように着の身着のままで、(未来を目指して)下宿を飛び出して終わります(画像④)。涙なくしては読めない人情漫画です(笑)。

店長は、大学に入った翌年に単行本でこの本を買い、今でも全9巻の講談社コミックスを大事に持っています。大山昇太は四畳半でしたが、店長も浪人時は三畳、学生時でも六畳一間の下宿に住んでいたので、この世界観がどハマりしたということでしょう。(モテないところも似ていましたし・・・)

このランキングを見て、あの頃を思い出しました。大山昇太と同じように、根拠のない夢を追いかけていた、でもその想像(妄想?)がとても楽しかった頃です。もう半世紀も前になりますが、今でもこの漫画は、その時の気持ちを忘れないように時々読み返しては、若返ったつもりになります。

とは言え、この世界観と時代背景は現代の若者には理解不可能だと思いますし、そこがいまだに映像化されていない原因でしょうね。

※この記事を気に入った方は「いいね!」を押して頂けると励みになります。よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP