昭和生まれシニアデザイナーのデザイン事務所
よろずデザイン処 佐々木商店
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【VI】ブガッティのエンブレムの件

フランスのハイパーカーメーカー(昔はスーパーカーと言っていました)である「ブガッティ(BUGATTI)」。1909年の創業で、レースで活躍しましたが戦時に工場が破壊。2000年にフォルクスワーゲン傘下として復活しました。ランボルギーニやフェラーリなどの突き刺さるような楔形ではないくせに、空力学の不利を上回る圧倒的なパワーで世界最高峰のスピード性能を擁しています。その分値段も最高峰ですが。

店長は、買う買わないに関わらず(もちろん買えない)、圧倒的な暴力さと洗練さが同居したこの車のデザインが好きで、特に全車で統一された馬蹄形のフロントグリルが好みです(画像①)。

このグリルの中に、「マカロン」と呼ばれる創業以来のエンブレムが鎮座しています。赤い楕円の背景に「BUGATTI」の白抜き文字と60個の小さな赤いドット、そして上部に配置された創業者エットーレ・ブガッティのイニシャルである「EB」で構成されていて、赤は情熱と力を、白は純粋性を、そしてシャープな輪郭は精密さを象徴しているらしいです(画像②③)。なによりこのフロントグリル用エンブレムは、一個一個が職人の手作りで、スターリングシルバー素材にエンボス加工、エナメル塗布や鏡面仕上げでまるで宝飾品のように仕上げたものだ(画像④)。(以上モーターファン誌の記事より抜粋)

いいですねぇ、多分AIも使っているであろう先進的なカーデザインと、職人が手作業で作る、当初から変わらぬ伝統的なデザインと技術の融合・・・。デジタルだけではみんな変わり映えがしないものになりかねない、アナログだけでは時代に取り残されて飽きられてしまいかねない・・・この2つの絶妙なコラボレーションは一朝一夕では出来ません。ブレない理念と絶え間ない努力が、ブランドというものを作っていくのではないでしょうか。

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