佐々木店長が学生時代に好きだった作家の1人が、柴田錬三郎氏です。その氏の作品の中で特に好きな小説が、眠狂四郎シリーズでした。店長が生まれた1956年に、週刊新潮で連載が始まった「眠狂四郎無頼控」は、その主人公のニヒルな言動と佇まいがカッコいいと一大ブームを巻き起こし、店長もそのファンの1人でした。
店長が高校生だった1973年に、集英社から全30巻の「柴田錬三郎自選時代小説全集」が刊行され、その第一巻と二巻が「眠狂四郎無頼控」でした。この全集の装幀とイラストを手がけたのが、当時はグラフィックデザイナーで、現在は画家である横尾忠則氏です。(画像①)
以前このブログでも書きましたが、佐々木店長が学生時代に憧れていたデザイナーの1人がこの横尾忠則氏です。いまだに画家として現役でバリバリ作品を描かれているのには驚嘆の念しかありません。好きなこの2人がコラボした本を、店長が見逃すはずがなく、さっそく小遣いをはたいて購入しました。上下巻とも、二段組み500ページを超える本ですが、当時で1冊690円でした。大分シミだらけですが、いまだに持っています。
この表紙のイラストは、今見ても震えが来るくらいスゴいですね。眠狂四郎の演者と言えば、映画では市川雷蔵氏が定番でしたが、この狂四郎はテレビシリーズで出演した田村正和氏です。カッコいいですねぇ。田村氏とは、この30年後に某CMの仕事でご一緒させてもらいましたが、すべての動きと佇まいが、眠狂四郎そのものという感じでした。
あまりにカッコいいので、後に模写しました(画像②)。1975年ですから、店長が浪人して、美大目指して予備校に通っていた頃ですね。クロッキー帳を見ると、美術課題の合間のページにポッコリ描いていました。今思うと、なかなか上向かない講評点に鬱々としてめげそうになる気持ちを、なんとか柴田、横尾、田村各氏の「眠狂四郎」御三家の力で奮い立たせてもらおうということだったかもしれません。それにしても今見ると、デッサンが狂っている上に、余計な描き込み線が多いですね(笑)。
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