もう何年も前に閉店してしまいましたが、東京駅八重洲口に「八重洲ブックセンター」という、当時日本一の売り場面積を誇るビル一棟丸ごとの書店がありました。Amazon全盛とは言え、ここに行けば思いがけない本に出会えるので、結構通った時期があります。
その昔にここで買ったのが、16世紀のオランダの画家、ヒエロニムス・ボス(Hieronymus Bosch)が描いた作品「快楽の園(Garden of Earthly Delights)」の本です。これは、ボスの最も有名な作品で、店長の好きな絵の1つです。面白いのは、この本が、9×12cmの豆本で、よくあの膨大な書籍の中から見つけたな〜と今さらながら思います(画像①)。
この元絵は、板に油彩で描かれた三連祭壇画で、描かれた内容や意図に関しては専門書にまかせますが、とにかく空想力と想像力、そしてそれを形にした描写力が圧倒的です。最初に三面鏡構造の各絵全図(画像②-C)があり、その部分拡大図の繰り返しで出来た本(画像②-B)で、見ているだけで飽きません。特に空想の動物たちが、不気味ながらもユーモラスです。その中でも、鳥獣戯画に出てくる倒れた蛙を思い出させる、ひっくり返るカエルと、それを飲み込む鳥(めいたもの)を描いた部分が強烈に印象に残っていて(画像③)、模写ならぬイラストを描いてみました(イラスト画像④)。いかがでしょうか?
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