

漫画家のつげ義春氏が先日、88歳で死去しました。高い文学性とシュールな作風で、デビュー当時は大きな注目を集めました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
つげ氏と言えば、腕にねじをはめ込んだ若者が医者を求めて街をさまよう「ねじ式」が有名ですが、佐々木店長はどちらかと言えば、人物から背景すべてをペン1本で描き込んだその緻密で幻想的な画風が好きでした。
2021年に双葉社から刊行された短編集『つげ義春 幻想怪異奇譚集成』に収録されている「夜が掴む」で、夜が生き物のように部屋に侵入してくる場面など(画像①)、店長が初めて金縛りにあったときの夢うつつの情景にあまりにも似ていて戦慄させられたものです。
また、氏の代表作の一つ「ゲンセンカン主人」で、主人公の男が温泉宿の女将に突然欲情し、忍び込む場面で被っている天狗の面の描写など、これ以上ない生々しい臨場感です(画像②)。実際いたしているシーンよりエロティックだと思いませんか?それもそのはず、つげ氏は、昭和43年から昭和62年までの「夢日記」を文庫本などで発表していて、夢で見たものをいくつか作品に生かしていたそうです。
店長もコロナ禍の頃から、見た夢をすぐスケッチした夢手帖をつけています。これが自分の絵になんらかの形で生かしたい、というのが、店長の目下の「夢」でありますが、いまだ画風も迷走している状態ではいつのことになるやら(苦笑)。