昭和生まれの店長がいまだに最も気に入っているレコードジャケットデザインは、1970年に発表されたラテンロックグループ「サンタナ」の2ndアルバム「天の守護神(Abraxas)」です(画像①)。ライナーノーツは中村とうよう氏でした。2曲目の「ブラック・マジック・ウーマン/ジプシー・クイーン」は全米4位になり、日本でもヒットしました。(ちなみにこの原曲はフリートウッド・マックです)
このジャケット画の密度にまず圧倒されますが、ここにある裸体の黒人女性がいわゆる“ブラック・マジック・ウーマン”で、この絵はこのアルバムのために描き起こされたオリジナル絵と長い間思っていました。ところが実はこの絵は、ハンブルク生まれの画家「マティ・クラーワイン(Mati Klarwein)」が、1961年に制作した「受胎告知(Annunciation)」という作品を使用したものだと随分後に分かりました。(画像②はアルバム裏面の続き絵と一緒に並べた作品全体です)
受胎告知? ん〜〜、どうです? その目で見ると確かにマリアと天使がいますね・・・左側にいるオジさんは画家本人なんでしょうね。知らなかった、ホントに。長生きはするもんです。この作品は今はどこにあるんでしょうかね。一度現物作品を観てみたい気がします。それほどインパクトが強くて好きな絵(ジャケット)です。これはいわゆるジャケ買いしたレコードですが、曲構成では翌年出た「サンタナIII」が一番好きでしたね。
ところで、店長の持っているこのアルバムの裏面に曲リストが印刷されているんですが、よく見ると「SIDE A」と「SIDE B」の “A”と“B”の文字だけが版ズレをおこしています(画像③)。1970年代の印刷は大らかでいいですね。
余談ながら、店長はこのアルバムを2枚持っていて、もう1枚はCBSソニーが開発したSQ方式4チャンネルレコードです(画像④はジャケットの違い。SQロゴの印刷が斜めなのはご愛敬)。4チャンネルステレオ・・・当時としては画期的な方式で、前後の臨場感を堪能したくて買ったのですが、再生に必要なSQデコーダー装置が買えなくて、結局いまだに4チャンネルで聴いたことがありません。泣。
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