今から100年ちょっと前、1920年(大正9年)に発行された「日本及日本人」という雑誌の増刊号(画像①)で、当時の有識者たちが日本の100年後を予想するという企画が実施されました。
100年後の日本の姿、つまり2020年に日本がどんな国になっているかを大胆に予想してもらったのですが、寄稿者は350人余りにのぼり、作家の菊池寛や島崎藤村らも名を連ねていました。その中から、実現したもの、外れてしまったものをいくつかご紹介します。
この前編は、見事に先見の明があったもの、つまり実現したものをご紹介。
●対面電話「芝居も寄席も居ながらにして観たり聴いたりできる」(画像②)➡この電話方式は昔の地方自治体電話(?)を思い出しますが、携帯電話を超えてテレビ電話まで考えていたのは、見事に今のスマホそのものです。でもこの画面はテレビと言うより、写真館の写真機を逆から覗いている風情ですね。
●百年後の東京地下図(画像③)➡地下鉄、下水道管、電信線などが縦横無尽に地下に針目具された図は、まさに今の東京の姿を予見しています。避難地下室もあるのは、第一次世界大戦の直後だからでしょうか。
●進歩せる自動車各種(画像④)➡すべて実現はしていませんが、椅子式自動車はスクーターか高齢者カート、簡易スケート自動車は電動キックボードですね。小僧用と書いてあるのも暴走事故をおこす若者が多いのを予見したのか、と勘ぐったのは店長だけでしょうか。折りたたみ式飛行自動車も今は実験段階ですが、遠からず実現しそうな気がします。
●日本医術の大進歩「義首の発明」(画像⑤)➡なかなかシュールなイラストですが、再生医療の進歩という事で言えば、義手や義足、iPS細胞などによる細胞再生など実現しているものも多いですね。さすがに頭そっくり差し替えるというのはまだのようですが・・・
●極端な自然破壊(画像⑥)➡これは実現してもらいたくない筆頭でしょうが、残念ながら世界は着々とこの方向に向かっている気がします。富士山切り崩しとまではいっていませんが、麓に見える鉄道は、登山鉄道として今まさに議論の真っ最中ですね。
日本の歴史上でも激動のこの100年。凄まじい変化のスピードですが、次回の後編は、それでもまだ実現していないと思われるものを続けてご紹介します。
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