10月のJ-CASTニュースに「デザインの敗北」という記事が載っていました。「デザインの敗北」とは、いわゆるインターネットスラングのひとつで、公共施設の案内表示などについてデザイン性を重視した結果、本来伝えなくてはならない情報が利用者に伝わりづらかったり、意図しない利用を招いてしまったりする失敗例を指す言葉として使われるそうです。(J-CASTニュース記事より引用)
この記事では、(とあるSNSの投稿を引き合いに出して)某複合施設にあるトイレのピクトグラムが小さすぎて視認性に欠けるため、施設側が大きく「トイレ」と書いた縦看板を横に設置した例を紹介しています(画像参照)。見栄えを重視した余り、本来の役割が不十分になってしまったのは「デザインの敗北」ではないか、と。
ただ続けてこうも言っています。「『デザインの敗北』だと、『デザインは悪くないけど他の要素に負けた』と受け取れるが、今回の場合は『男性トイレである』というデザイン本来の目的が果たせていないので、『デザインがよくない』と言うべき」というのです。」(J-CASTニュース記事より引用)
さらに、良いデザインは生活に溶け込むのでいわゆる「デザインの勝利」は気づかれにくいという反応もあったと紹介したところで、身近なデザインに思いを馳せてみるのもいいかも、と記事は結んでいます。
これを読んで、1デザイナーの端くれとして大いに考えさせられるところがありました。デザイナーというのは、大なり小なり自己顕示欲や目立ちたがりがある人種なので、なかなか「気づかれないほど自然で役に立つデザインをする」ことに徹するのは、難しいなぁ、と。とは言え、コミュニケーションアートを生業にする自分にとって、(画家などのファインアーティストに比べれば)自己PRは、指名される上で不可欠だし、だからこそ自分のHPに実績紹介ページも入れてあるわけです。まあ、自分の実績紹介は、ある意味BtoBツールなわけだし、目立たない良いデザインはBtoCで目指して行けばいいのかな、と今のところ勝手に解釈していますが・・・。
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